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会社が大きくなるにつれ、収益性が悪化する原因【大企業病】

一般的には、大きな会社ほど安定性が高く、将来性もいいと考えられています。

ところが投資なんて物に手を出すと、大企業が必ずしも優良企業ではない事に気付かされるのです。
むしろ大企業は問題点が多く、環境の変化についていけない危険性が高いことが分かります。

これは会社が大きくなるにつれて、企業の抱える悪い部分が増加する傾向にあるからです。

大企業病なんて呼ばれたりすることもありますね

それでは私の経験も踏まえて、大企業病についての説明をしていきたいと思います。

多くの大企業が抱える問題について

さて、ここから先は私の個人的な考えや意見が多く含まれています。

私は投資家としてサラリーマンとして、たくさんの経験をしてきました。
その結果、大企業になると収益性が悪化するのには、大きく3種類の原因があると考えています。

その3つを個別にお話ししていきましょう。

⒈無駄が増える

この『無駄が増える』というのが、大企業にはびこる最大の問題点ではないでしょうか。

具体的にいえば、

「1円も生み出さない管理業務」が増えるのです

さて、ここからは私自身の経験を踏まえて話をしたいと思います。

私がかつて正社員として働いていた会社は、とある企業に買収され、合併という道を進みました。
その結果、営業所の人数が増え私の担当エリアの一部を後任の人に引き継ぐこととなったのです。

問題はその時の「引き継ぎ資料」です。

なんと!

「本社・支店・営業部のそれぞれから、引き継ぎ資料を作成せよ!」との業務命令がでました。

引き継ぎする先は同じですから、当然、内容も同じです。
なのになぜ3種類も作るのか…

しかも本社・支店・営業部のそれぞれのフォーマットが違いすぎて、コピーで何とかなるわけでもありません。

ただでさえ担当が変わるせいでバタバタしていたのに…

泣く泣く同じ内容の資料を3つも作って会社に提出しました。

しかも…この話には後日談があるんです。

実際に後任の人がきて引き継ぎをすませたのですが、なぜか後任の人からやたらと質問の連絡がくるんですよ。

そこで「引き継ぎ資料に書いておきましたよ」と話すと…

引き継ぎ資料ってなんですか?

と言われました。

なんと引き継ぎ資料の存在すらも知らなかったのです。
私が作成した引き継ぎ資料はてっきり、後任の人の元へいって使われるものとばかり思っていたのですが違いました。

でも引き継ぎ資料の中身は本社や支店の業務には関係がなく、本社や支店からすれば不要な内容です。
正直なところ、これらの資料がなにに使われたのかは現在でも不明です。

以上が、私が実際に経験した内容となります。

わざわざ言うことでもないですが、そもそも引き継ぎ資料の内容は同じですから、3つも必要はないですよね。
さらに後任の人に渡らない引き継ぎ資料って…ムダでしかありません。

つまり、これらは1円の価値も生み出さない不要な仕事ってわけです

会社が大きくなると、こういうムダな業務が増えていきます。
そして不要な仕事が多いってことは、効率が悪く、収益性も低いとなるのです。

私のケースではそんな無駄な資料を作っている暇があるのなら、得意先にいって注文をとってきたほうがいいじゃないですか。

利益にならない仕事が増える理由

また、なぜ企業が大きくなるとお金にならない仕事が増えるのかと言えば、

従業員を管理するための業務が多くなるからです。

「従業員を管理する仕事をする人」がいて、
さらに「管理する仕事をしている人を管理する人」がいて、
そして「管理する仕事をする人を管理する人を管理する人」がいてと、
なんてもう訳がわからないですね…でも現実にこんな感じで際限なく増えていきます。

また誤解しないで欲しいのですが、管理業務が不要と言っている訳ではありません。管理業務も大切な仕事だと思います。

ただし、管理業務は、

収益を生み出す業務では無いのですから、必要最小限でいいと考えています。

ところが大企業になると、不思議と管理部門や管理業務の比率が高くなってしまうんですよね…
そして大企業の収益性が低下するのです。

⒉路線変更が難しくなる

世の中というのは変化の激しいものです。

一昔前は「10年もすれば市場が変わる」

なんて言われていましたが、今ではさらに変化が早くなっており、たったの数年で企業を取り巻く環境がガラッと変わってしまう可能性すらあります。

そんな世の中の変化に会社が対応できないと、いずれは淘汰されて消え行くのみです。

しかし会社が大きくなると、

変わることに拒否反応を示す人が多くでてきます

変わることを拒否する理由は様々あるんだと思いますが、安定を求めたり、時には利権なども絡んでいるのでしょう。

その結果、ジリ貧のビジネスにしがみつくのです。そしてジワジワと衰退をしていきます。

このジワジワとってのがやっかいな所で、少しずつなので危機感を持ちにくいんですよね。
気づいた時には手遅れ…残念ながらそんな状況です。

とくに変化を嫌がる層が力を持っているような会社は絶望的です。世の中の流れにまったく対応ができません。

アメリカの超大手写真フィルム会社が倒産した理由の一つも、この辺にあるとか言われています。
この会社はもともと優良企業だったんですけどね…

だから「会社が大きい=安定」ではありません。
ここ最近はとくにその傾向が強まっていると思います。

⒊ムリに拡大をしようとして、収益性の低いところに手を出す

どうも経営者の人は、自分の会社を大きくしたいという気持ちに取りつかれる傾向があるようです。

ところが、どんなに優良なビジネスであっても成長には限界があります。
自分の会社がそんな成長限界に来ている…しかしそれでも、経営者がさらに企業を大きくしたいと考えたらどうすると思いますか?

すると今までは収益性が低いので販売を見送っていた商品を売ることにしたり、ムリな企業買収に手を出すのです。

結果として会社の利益率が下がり、体力を失っていきます。企業の体力ってつまるところ、どれだけ稼げるかですからね。

だから規模は大きいのに収益性が低く、「小さい会社よりも弱い大企業」は世の中にたくさんあります。
こういう会社はちょっと事業環境に逆風が吹くと、すぐに赤字になるのです。

さて、あれこれと書いて来ましたが、つまるところ、

「会社が大きいという理由だけで株を買うのはやめましょう」って事です

大切なのは、その会社の中身です。

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  • この記事を書いた人

株サラ

株からの収入だけで生活が出来るようになり、人生が変わりました。 そんな投資に感謝すると共に、多くの人にこんな世界があることを知って欲しいと思って記事を書いています。

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