私の持ち株である「三洋貿易」の2023年9月期決算が出たので、中身をみた感想と考察を書いていきます。
このサイトを見てくださっている方はご存じかもしれませんが、三洋貿易はちょっとニッチな分野に特化した商社です。
会社としての歴史も長く、商社なのに財務状況がとてもよいのもプラスな会社だと思います。
個人的には三洋貿易株を継続保有していく予定です。
最初に決算短信から業績を転記しておきます
(百万円) | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 前年比 |
売上 | 111,250 | 122,596 | +10.2% |
営業利益 | 5,319 | 6,740 | +26.7% |
純利益 | 4,296 | 4,830 | +12.4% |
決算内容は増収増益で過去最高を更新しており、個人的にはよき決算だったと考えています。
ただ…決算発表後の株価が下がっています。
今期が減益の予想となっているので、それが原因なのでしょうか。
私のような長期投資家にとっては、直近の株価が上がろうが下がろうが関係はないのですが、それでもやはり株価が下がると気になるものです。
そのため決算説明資料などの中身をみて減益予想の理由を探っていきましょう。
決算説明会資料の中では、今期の減益予想の理由について「戦略的先行投資により一旦減益を予想」と書いてあります。
既存のビジネスが悪い方向に行っているわけではなさそうなので、一安心ってところです。
もちろん先行投資が収益に結び付かずに失敗する可能性もありますし、気にかけていく必要はあると思います。
ただし今期の減益予想を理由に、株を売る必要はないと個人的には考えています。
また新長期経営計画の中でも過去の分析をしつつ、自社の強みをしっかりと捉えているので変な方向へ行ってしまう可能性は低そうです。
定量目標にROEを掲げているところも個人的に評価が高い点です。
資本を効率的に動かす必要性を理解しているって事になるからです。これは株主にとっては重要なポイントだと思います。
ときに経営者の方は会社の規模を拡大することだけに注力して、儲からない事業を始めたりするものだからです。
そうすると収益が出ている事業部門の利益が、儲からない新規事業に吸い取られてジリ貧となり、企業として弱くなってしまう可能性があります。
このケースは本当に多いんですよ!
そのため三洋貿易の長期計画にROEがあるのは良いことだと考えています。ただ目標数値が以前の15%から10〜12%に下がっているのが少し気にかかる点ではあります。
まあ10〜12%でも日本企業の中では優良な方ではあるんですけどね。
さて長々と書いてきましたが、三洋貿易の新長期経営計画では売上・利益ともに成長を目標としており、また三洋貿易という会社にはそれを実現するだけの力があると個人的には考えています。
そのため今期は減益予想ですが、私自身は株の保有を継続していく予定です。
最後に三洋貿易の株を買った理由を書いた記事へのリンクを貼っておきます。
三洋貿易は会社としての歴史も古く、しっかりと利益を残してきた良い企業だと思っています。