今日は「株って何?」というお話を一つ。
私自身ときどき投資の相談を受けるのですが、みなさん株について誤解をしているなと思うことがあるんです。
その誤解とは、株を宝クジと似たような、お金がもらえる可能性のある紙切れだと思っている方がいらっしゃるってことです。
でも、「その認識は違うんだよー!」とお伝えしておきます。
株はただの金額が変わる紙切れではありません。
多くの方が働いている株式会社において、株には絶大な権力があるのです。
株を持つ人を「株主」と言いますが、株主は正直なところ、あなたの上司などよりもはるかに、会社に対して大きな力を持っています。
そんな株主が持つ力を2つほど、紹介していきましょう!
株の50%を持っていれば、社長をクビにできる
さて株式会社において、株がもつ力の一例を見ていきましょう。
たとえばですよ。
あなたが働いている会社が発行する株式全体の50.1%を、あなた自身が持っているとします。
株の半分以上を保有ってことですね。
そしたら何ができると思いますか?
なんとですよ!
いつも威張りくさっている、あの社長をクビにできます。
じつは役員や取締役の任命権って、株主が持っているんですよ。
だから社長をクビにしたあとに、自分が役員となって、さらに社長になることも不可能ではありません。
言い方を変えれば、株式会社における社長とは、株主に雇われているにすぎないんです。
つまり株主は、社長や役員の雇い主であり、役員の人たちの人事権をもっています。
株ってなかなか大きな権力じゃないですか。
ただの紙切れじゃないんですよ!
会社の資産や利益は誰のもの?
さて続いて、株が持つ権利についてです。
ここでは「会社の資産」についての話をしていきましょう。
時々議論になりますが、会社が保有する資産って、誰のものだと思いますか?
社長の物?
違います。
会社の資産は社長のもの、と思っている方も多いですがそれは誤解です。
会社の資産は「株主のもの」なんです。
会社が保有する財産を手にする権利は、株主が持っています。
オーナー社長だと、社長であると同時に株主でもあるので、社長の物になっているだけです。
株式会社において自社の資産を自分のものにできる権利を持っているのは、社長ではなく、あくまで株主です。
社長が自社株を持っていないのであれば、社長は会社の資産をびた一文もらえません。
というかそもそも、社長は株主に雇われているだけですから、そんな勝手なことは社長にはできません。
また、会社がビジネスをすると利益が出ますよね。
その利益から税金などを引いて残った最後の利益、純利益などと言われますが、これもすべて株主のものです。
資産と同じように利益も、社長のものではありません。
先ほどと同じでオーナー社長だと株主でもあるから、利益を自分のものにする権利を持っているだけです。
そして、株がこれらの権利を持つという事実は、株には資産や利益などの実物の裏付けがあることを表しています。
だから株の値段というのは、マネーゲームで適当についている訳ではありません。
そういった権利や資産、利益にたいして値がついているのです。
株の価値や価格というのは、その会社の決定権・所有権を持てること、さらには会社の利益や資産を自分の物に出来ること。
そんな実態のある物から決まってくるのです。
まあマネーゲームでやたらと株価が高くなったり、安くなることもありますけどね…