私は株式投資をやっていることを公言していますので、周囲の株に興味を持っている人と、株についての話をすることがあります。
そのなかで最近どうにも気になっている事があるんです。
たまに「私の株式投資をどう思う」みたいな事を聞かれるのですが、その内容はこんな感じが多いのです。

株価が○○円で買ったけど、安く買えたかな?
今△△円になったけど、高くなったから売った方がいいのかな?

正直なところ、これらに対しては何とも答えられません。
なぜなら株価はただの価格でしかないからです。
株の本質は購入した会社の業績や財務状況であり、株価というのはそれらに値段がついただけに過ぎません。
例えばですが、自動車の購入において高級輸入車であれば1000万円でも安いかもしれませんが、年式の古い中古車であれば100万円でも高いケースがあります。
株についても同じことが言え、中身の会社が優良ならば価格が高くても割安な事もあれば、安くなったように見えても実際には割高なこともあります。
そのため株価だけを論じて、良いも悪いもないのです。

大切なのは株価よりも、会社の中身です。
私もそうですが、頭では分かっているんですよね。でもついつい株価に目が行ってしまいます。
だから、株とは何なのか、株の本質について考えてみたいと思います。
株の始まりはどこから?
では株の始まりは、どこから来ているのでしょう。これは大航海時代からと言われています。
当時は船を出して、コショウなどの貿易に成功すると、莫大な利益が得られました。
ところが当時の技術水準では、船が無事に帰ってる保証はありません。
そして船が戻ってこなければ、貿易どころか船そのものを失い、すべてがパーです。
つまり船を出して貿易をするのは、うまく行けば莫大な利益を得られますが、失敗すれば大損という、とてもリスキーな事業だったのです。
だから個人で資金を出して船を購入し、貿易をするのはハードルが高いという状況がありました。
そこで特定の一人ではなく、複数の出資者からお金を集めて船を買い、航海に出したのです。
そして貿易が成功し利益が上がれば、それぞれの出資比率に応じて利益が分配されました。
この「資金をいくら出したかの証明書」が今の株券であり、「多数の人からお金を出してもらい、それを元に事業をする仕組み」が株式会社の起源となったのです。
つまり、

株というのは「会社がビジネスから得た利益の分け前をもらえる権利」なのです。
そして、その権利についている値段が株価となる訳です。
だから株の売買について論じるのであれば、まず事業内容や、その事業によりどれくらいの利益を見込めるのかが先になります。
私もこの本質を忘れないように気をつけて、これからも株式投資をしていこうと思います。